不動産売却を考えたとき、「何から始めればいいのか」「どのくらいの期間がかかるのか」「手元にいくら残るのか」といった不安が多く寄せられます。本記事では、査定から決済・引渡しまでの流れを丁寧に解説しつつ、売却にかかる費用や税金の基本、さらにチェックリストやQ&Aを用意しました。初めての方でもこのガイドを読むだけで全体像がつかめ、安心して進められるはずです。
目次
1. 売却全体のスケジュールと目安
一般的な売却の流れは4つのステップに分けられます。各段階の期間目安を押さえておきましょう。
- ① 査定・媒介契約: 1〜2週間(書類収集や訪問査定含む)
- ② 販売活動: 1〜3か月(広告・内覧・条件交渉)
- ③ 売買契約: 約2週間(手付金・重要事項説明・ローン本審査)
- ④ 決済・引渡し: 1〜2か月(残代金受領・所有権移転登記・鍵渡し)
トータルでは3〜6か月程度が一般的です。ただし、市況や物件特性により前後します。
2. 査定・媒介契約:価格と販売方針を固める
2-1 査定の種類
机上査定は過去事例や相場データをもとに行う簡易評価で即日〜数日で結果が出ます。訪問査定では建物の状態や周辺環境を含めて確認するため、1〜2週間ほどでより根拠のある価格を提示してもらえます。
2-2 媒介契約の種類
売却を依頼する不動産会社とは「媒介契約」を結びます。種類によって販売の自由度や報告義務が異なります。
- 専属専任媒介: 1社のみ依頼、5日以内にレインズ登録、週1回以上報告。スピード重視。
- 専任媒介: 1社のみ依頼、7日以内にレインズ登録、2週間に1回以上報告。バランス型。
- 一般媒介: 複数社へ依頼可、レインズ登録義務なし。自由度は高いが管理が分散しがち。
専任契約を結んだ場合は、発行されるレインズ登録証明書に記載内容の誤りがないか必ず確認しましょう。
3. 販売活動:最初の1か月が勝負
3-1 成功のカギ
- 価格設定:近隣の成約事例を基準にし、検索価格帯の境目を意識。
- 広告:ポータルサイトには写真を20枚以上、間取り図、周辺環境説明、ハザード情報を掲載。
- 内覧:整理整頓・消臭・照明調整で印象を最大化。昼間の明るい時間に案内すると好印象です。
3-2 長期化を避ける工夫
- 2週間反響ゼロ → 価格調整や写真差替えを検討。
- 内覧はあるが申込なし → 指摘を分析し、改善(例:駐車場写真の追加)。
- 売れにくい特殊物件 → 不動産会社による買取も選択肢。
4. 売買契約:手付金と重要事項の確認
契約当日は宅建士による重要事項説明を受け、売買契約を締結します。買主から手付金を受領し、ローン本審査が進みます。
- 手付金の相場:売買価格の5〜10%
- 不動産会社が売主の場合:20%以内が上限
契約書では「ローン特約」「違約金」「付帯設備表・物件状況報告書」などを必ず確認しましょう。
5. 決済・引渡し:司法書士立会いで一括手続き
契約から1〜2か月後、金融機関や司法書士の立会いのもと決済を行います。残代金受領、所有権移転登記、抵当権抹消、鍵の引渡しを同日に進めるのが一般的です。決済直前には必ず物件の最終確認を行い、トラブルを防ぎましょう。
6. 売却にかかる費用の目安
不動産売却では仲介手数料や諸費用がかかります。おおよそ売却価格の4〜6%が必要と見ておきましょう。
- 仲介手数料 … 売却価格×3%+6万円+消費税(上限)※売買価格が400万円以上の場合
- 印紙税 … 契約書に貼付(1,000〜6万円)
- 登記費用・司法書士報酬 … 数万円〜
- ローン完済手数料 … 金融機関ごとに0〜3万円
- 引越し費用 … 数万円〜数十万円(規模次第)
費用早見表|不動産売却でかかる主な費用
項目 | 目安金額・率 | 備考 |
---|---|---|
仲介手数料 | 売却価格×3%+6万円+消費税(上限) | 売却価格400万円超の場合の計算式 |
印紙税 | 1,000円〜6万円 | 契約金額により異なる |
登記費用 | 数万円程度 | 抵当権抹消・司法書士報酬等 |
ローン返済手数料 | 0〜3万円程度 | 銀行により異なる |
引っ越し費用 | 数万円〜数十万円 | 規模・距離・時期で変動 |
合計の目安:売却価格の約4〜6%
7. 売却時の税金|控除制度の概要
不動産売却益(譲渡所得)には所得税・住民税がかかります。ただし居住用財産の場合、3,000万円特別控除を利用でき、利益が3,000万円以下なら税負担がゼロになる可能性があります。また、所有期間が5年を超えると長期譲渡所得となり税率が軽減されます。
詳細な税率・申告方法・繰越控除などは複雑なため、近日公開予定の「不動産売却の税金ガイド」で詳しく解説します。
8. 売却前チェックリスト
- [ ] 複数社から査定を取得したか
- [ ] 媒介契約の種類を理解して選んだか
- [ ] レインズ登録証明書の記載内容を確認したか
- [ ] 内覧前に整理整頓・修繕を行ったか
- [ ] 契約書に特約や手付金条件が明記されているか
- [ ] 決済前に残代金・登記・鍵・公共料金の精算確認をしたか
- [ ] 売却益と税金を概算して手取りを把握したか
9. Q&A|よくある疑問
Q1. 譲渡益が出なかった場合も確定申告は必要?
A. 控除を受けるためにも確定申告は必要です。
Q2. 譲渡損が出た場合、税金は戻る?
A. 「居住用財産の譲渡損失の繰越控除」などを使えば、翌年以降の所得税から控除可能です。
Q3. 仲介手数料は値引きできる?
A. 交渉余地はありますが、安すぎると広告や営業活動の質が下がるリスクがあるため注意しましょう。
10. まとめ&無料相談のご案内
不動産売却は平均3〜6か月のプロセスで、査定・契約・広告・内覧・契約・決済と進みます。費用や税金の仕組みも把握しておけば、手取り金額のシミュレーションが可能です。
新潟市専門の当社では、査定から決済まで同じ担当者が一貫サポート。税金や住宅ローンのご相談も無料で承っています。
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